シリアでは、アサド政権が「都市部からの軍の撤退」を約束した１０日を過ぎましたが、依然として政府軍による攻撃が続き、停戦の実現は危機に瀕しています。
シリアのアサド政権は、国連とアラブ連盟の特使を務めるアナン・前国連事務総長に対し「１０日までに都市部から軍を撤退させる」と約束していました。しかし、シリアの反体制派によりますと、中部のホムスなどでは１０日も政府軍による激しい攻撃が続き、市民ら少なくとも５７人が死亡したということです。
反体制派のシリア国民評議会は、政権側の軍部隊について「約束通り撤退した兆候はない」としています。
「計画が失敗したと言うには早すぎます。計画はまだテーブルの上にあり、実現に向けて努力を続けています」（アナン前国連事務総長）
アナン氏は「軍は兵舎に戻るべきだ」とアサド政権を批判したうえで、停戦の期限となっている１２日の午前６時までにはまだ時間があるという考えを示しましたが、計画の実現は危機に瀕しています。（11日03:30）
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