４年前、岐阜県中津川市で母親や子ども、孫ら家族５人が殺害された事件で判決です。死刑を求刑された元中津川市職員の男に岐阜地裁は、無期懲役の判決を言い渡しました。 母親の憎しみから家族５人を殺害した残忍な事件。裁判所の判断は死刑ではなく、無期懲役でした。 この事件は２００５年２月、元中津川市職員の原平被告（６１）が自宅で寝ていた母親や長男、長女と孫２人の家族５人を首を絞めて殺害したとして、殺人の罪などに問われているものです。 検察側は、「妻に嫌がらせをする母親を殺害し、残された家族も不幸になると考え犯行に及んだ」として、完全責任能力が問えると死刑を求刑していました。 一方で、弁護側は心神耗弱だったとして、責任能力は限定的として懲役刑を求めていました。 事件から４年を迎えようとし、１３日、判決公判が開かれ、原被告は髪の毛を短く切り、表情を変えることなくじっと裁判長の言葉を聞き入っていました。 裁判の争点になった責任能力の有無について、裁判長は「原被告は日常生活に異変はなく、殺害手順や方法も具体的に計画を立てていた」と述べ、認識、思考、判断は合理的であると完全責任能力を認めました。 しかし、一方で、精神的に追い詰められていていちまつの酌量の余地もあると極刑の求刑に対し、無期懲役を判断しました。（13日11:36）