旧ユーゴスラビアのコソボが、セルビアからの一方的な独立を宣言したことを受けて、国連は１８日、安全保障理事会を開きましたが、各国が意見を主張しただけで終わりました。一方、ＥＵ内では、意見の違いが鮮明になっています。
「コソボを独立国家として承認するのか」、その一点をめぐって国際社会は大きく揺れています。
「コソボの違法な独立宣言は、明らかに国連決議違反だ」（セルビア、タディッチ大統領）
国連では１８日、安全保障理事会の公開協議が開かれましたが、その席でセルビアのタジッチ大統領が、コソボ独立の無効を訴えました。
また、ロシアも独立に反対する演説をした他、台湾やチベット問題を抱える中国もコソボ独立に反発しています。
「我々は、どんな国や民族でも、一方的な独立宣言が起こることを心配している」（中国・王光亜国連大使）
しかし、１８日、アメリカが正式にコソボを国家として承認すると発表した他、ＥＵ各国でもコソボの扱いをめぐる外相会談で、フランスなど１５を超える国が国家承認に前向きな姿勢を見せています。
しかし、国内に民族の独立問題を抱えるスペインなどは反対する意向を示しており、ＥＵ内でも大きく意見が分かれました。
自分の国に民族問題を抱える国がコソボの独立に反発しているのは、独立運動のドミノ現象を危惧してのことで、国連も「国家の承認は国連の仕事ではない」と逃げ腰です。
国ごとの考え方の違いや溝をどう埋めるのか。国連の存在意義が、今回、改めて問われることになります。（19日08:47）
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