パキスタンのブット元首相が２７日夜、自爆テロで暗殺されました。ムシャラフ大統領はテレビで演説し、「暗殺は国家の悲劇。強く非難する」と語りました。
テロが起きたのは、首都イスラマバード近郊のラワルピンディで、２７日、集会での演説を終えたブット元首相が車に乗って移動を始めた直後でした。
ブット氏の車に近づいてきた男がいきなり銃撃し、さらにその場で自爆、ブット元首相は首や胸を撃たれて病院で死亡しました。また、爆発で集会に集まっていた支持者ら少なくとも２０人が死亡しています。
「言葉もありません。パキスタンは今日すべてを失いました」（現場にいた人）
ブット元首相は、１９８８年にイスラム世界では女性として初めて首相に就任、その後、汚職で有罪判決を受け、イギリスなどで事実上の亡命生活を送っていました。今年１０月に帰国したあとは、来年１月の総選挙に向けて政治活動を再開していましたが、帰国直後にもブット氏を狙ったとみられる爆弾テロがあり、１４０人以上が死亡しています。
暗殺事件を受けて、ムシャラフ大統領は２７日夜遅くにテレビで演説し、テロ行為を非難するとともに、「今日から３日間、国民が喪に服する」と発表しました。
パキスタン各地ではブット氏の支持者らが、バスや建物を燃やすなどの抗議行動を激化させています。今後、政局が緊迫化することは必至で、来年１月の総選挙が予定通り行われるかも不透明な情勢です。（28日11:15）