北朝鮮政府による資金の不正流用が指摘されている援助事業について国連がまったをかけました。ＵＮＤＰ＝国連開発計画は２５日、執行理事会を開き、２００７年からの北朝鮮向けの新規事業を一時停止することを決めました。
２５日の執行理事会では、アメリカや日本などが再審議を求めていた２００７年から２００９年の北朝鮮への援助事業計画について協議されました。
この中で理事国は、アメリカが指摘する不正流用疑惑のもととなった「北朝鮮政府に対する現金外貨による賃金の支払いなどを３月までに停止」。「過去の事業について外部監査を実施」したうえで、事業内容も資金の使途がわかりやすい「人道支援に特化したものに修正」しそれが実施されるまで、２００７年からの新規事業を一時停止することを決めました。
「我々はＵＮＤＰ執行理事会の措置をうれしく思っている」（アメリカウルフ国連次席大使）
これに対し、北朝鮮側は支援事業を政治化しているとし、日米を非難。疑惑を否定したうえで、今回の措置については受け入れる意思を示しました。
「（率直に言って）この提案に満足はしていない。しかし、受け入れることを決めた」（北朝鮮国連代表部）
支援を受けている国連機関での孤立をさけるねらいがあったものとみられます。
すでにパン・ギムン国連事務総長は、北朝鮮における他の事業についても外部監査を行う意向を示しており、その結果次第では、今回のような事業の見直しがさらに広がる可能性もでてきています。（26日11:18）